Oracle OpenWorldで見てきた業務用SSD製品まとめ

SSDがマイブームです。先月自宅のPCにX25-Mを導入したばかりですが、気づいたら2台に増えていました。これはとても危険ですね(財布的に)。
先月のエントリで検証したように、上位のSSDはデータベースに使ってもやはり抜群の性能を見せます。この超高性能をぜひ仕事でも活用したい!ということで、先週開催されたOracle OpenWorldで業務用SSD製品を見てきました。

DELL | EMC CX4


2008年8月から販売されているEMC CLARiXシリーズのOEM製品です。しばらく前からDELLはEMCとパートナーを組んでストレージ製品を販売していますが、このCX4からSSDに対応してきました。
CX4のSSDにはエンタープライズフラッシュドライブ(EFD)という名前が付けられており、1ドライブあたり73GBの容量があります。実際にドライブを見せてもらったところ、中身にはZeus IOPSが使われていました。
Zeus IOPSはカリフォルニアに本社のあるSTEC社の製品です。コントローラを独自開発しており、性能・耐久性に優れると言われています。カタログ上はRead IOPSが52,000、Write IOPSが18,000ということで、特に書き込み性能でIntel X25-E(Read IOPS 35,000、Write IOPS 3,300)を大きく上回ります。また、業務用ですからインタフェースはファイバーチャネルになっています。
今回のカンファレンスに向けてDELLOracle GRID CenterにおいてOracleとの共同技術検証を行っており、その検証結果をブースで公開していました。これは15krpm HDD × 10のRAID 5構成(8D2P)とEFD × 10の同じくRAID 5構成(8D2P)上にOracle ASMディスクグループを構築し、Oracle ORIONおよびJPetStoreで性能測定を行ったものです。
報告書がドラフト版ということで詳しい内容は正式版を待ちたいと思いますが、ざっとご紹介するとRandom Readで25倍、Random Writeで10倍という文字通り桁違いの性能を見せています。さらに、EFDの場合はOracleのデータベース・バッファ・キャッシュの大小がほとんど性能に影響しないという衝撃的な結果も出ています。データベース物理設計のセオリーが変わるかもしれませんね。
報告書正式版の公開は5月中旬とのことです。また、気になるお値段ですがEFD 1ドライブあたり定価で70万円となっており、かなり高額です。

システムクリエイト RamSan-500


RamSan-500はTexas Memory Systems社のフラッシュベースストレージ製品で、日本ではシステムクリエイト社のほか数社が販売代理店となっています。2007年9月にリリースされた製品です。
Texas Memory Systems社は、フラッシュベースの製品を出荷する以前からDRAMベースの製品を販売していました。番号しか違わないので分かりづらいですが、RamSan-300/400/440という製品がDRAMベースのものです。容量は16GB〜512GBということで使いどころを選びますが、導入事例も比較的多くこのカテゴリでは老舗といってよいメーカです。
性能の方はというと、RamSan-500はカタログスペックでRead IOPS 100,000、Write IOPS 25,000となっており、こちらもCX4のようにHDDとは1桁違う性能を見せています。残念ながら展示ブースにたどり着いたときにはすでに片付けが始まっていて、動いているところは見られませんでした。
Texas Memory Systems社はドライブ自体を自社開発しており、すべて自前の実装になっています。ストレージのコントローラとドライブ間はファイバーチャネルではなく独自のインタフェースで接続しているため、他社製品のようなオーバーヘッドが少ないところが強みとのことです。
こちらのお値段ですが、1TBモデルで定価が2,600万円ということで、さらに高額です。家が建ちますね。

感想

高いです!
事例を見ても今のところは高いだけの価値を見出すことのできるお客さま、特に証券・金融業界に偏っているように思います。ブレイクしつつあるコンシューマ向け製品を応用してコスト削減を図り、破壊的イノベーションを起こしてくれるメーカの登場を切望しています。そういう意味でSun Storage 7000シリーズにはとても期待しています。(と無理矢理Planet MySQLネタに(^^;