MySQL 5.1.52リリース
出てます。今回は30件のバグ修正が行われており、そのうちセキュリティに関するものが3件、パーティショニングとレプリケーション双方に関するものが1件、パーティショニングに関するものが2件、レプリケーションに関するものが1件となっています。その他については、InnoDBに関するバグ修正が9件とやや目立ちます。
3件のセキュリティ修正について確認しておきます。運用中の商用システムに対して問題になるものはないと思います。
- GeometryCollection型(MultiPoint、MultiCurve、MultiSerface)に対してGeometry型以外の値を割り当てると、サーバがクラッシュすることがありました。今後はサーバがデータ型をチェックし、不正なパラメータを検出した場合は「bad geometry type」として失敗するようになりました。(Bug#55531)
- あるPrepared Statementに対してEXPLAIN EXTENDED文を実行すると、サーバがクラッシュすることがありました。(Bug#54494)
- サブクエリによって生成された一時テーブルに対するEXPLAIN文をPrepared Statementとして実行すると、サーバがクラッシュすることがありました。(Bug#54488)
またInnoDBに関する9件のバグ修正ですが、そのうち2件が性能改善に関するものとなっています。
- 索引のないカラムだけが更新された場合における、InnoDBのUPDATE性能が改善されました。(Bug#56340)
- ROLLBACK処理におけるInnoDBデータディクショナリのロックメカニズムが変更され、REPLACE文の並列処理性能が向上しました。(Bug#54538)
マイナーバージョンアップでこの手の性能改善が取り込まれるのは珍しいですね。2件の性能改善はいずれもFacebookのMark Callaghan氏によるものです。Mark Callaghan氏はInnoDB PluginやMySQL 5.5における性能改善にも大きく貢献しており、Facebookで経歴を見るとInformix→Oracle→Google→Facebookという、まさにMr.RDBMSとでも言うべきすごい人です。